はじめに
- (株)パトラックスは、意匠図面・特許図面・(写真)のプロ集団です。私達が日常描く図面とは何なのか。ナスカの地上絵は何かの答えでもあります。
- 意図を持って描かれた1本の線は、幾千年の時を超え、人種や言語の垣根すら軽く飛び越えて、見る人に形を伝播します。線で形を表す我々の職業に
- とって、ナスカの地上絵は究極であり、また原点でもある様に思えてなりません。
- 絵画は心を伝える芸術なので、心が通じない人には理解頂けないもの、という独自性が許されるわけですが、図面は形を伝える手段なので、相手に形が
- 伝わらなければ、図面として失格なのです。公報などでは、よく、真っ黒につぶれてしまって判読不能な図を見かけますが、私の好みではありません。
- 例えば特許・実用新案等では長大な願書で発明を説明しています。意匠では線の1本1本が願書の1行と思って作図せねばなりません。願書で判読不明な
- 行があったら大変です。我々も判読不明な図にならない様、心がけて図面を作成して参りたく思います。
- 大切な事は、肉眼で判読できる事であり、形を伝える事です。作図する側は資料を見乍ら作図しますが、審査官にとっては資料無しで、10図そこそこの
- 出願図で、形状が把握できる仕上がりでなければいけません。そのために様々な技法を用います。斜視図の作成、形状の単純化、断面図の追加・・
- 挙げればキリが無い程です。図面の作図ミスは、形状の判読の妨げになります。よくよく注意が必要です。我々は形を伝える、という1点に向かって
- 邁進し、模索を繰り返します。それこそが企業理念であり、職業倫理であり、図面屋としての存在理由であると、信じて止まないからです。